【ネタバレ】NHK土曜ドラマ「3000万」 (2024)感想

2024年11月29日金曜日

テレビドラマ

安達祐実扮する冴えない派遣社員がチンピラに「おばさん」だの「ババア」だの罵倒されるクライムサスペンス。いくらお年を召されたとはいえまだまだ結構な童顔の安達祐実をババア呼ばわりはさすがにちょっと…というのは本筋にほぼ関係ありません。

ほんの出来心で手にしてしまった大金「3000万」円が、闇バイト組織から横取りされてきたものだったら…? 警察にも追われ、闇バイト組織の魔の手も伸びる中、さらに罪を重ねてしまったら…?

現在進行系で問題になっている闇バイトのやり口が「これ本当にありそうだな」と思わせるところはかなり秀逸でした。また、組織のボス(と目される人物)は元税務署職員で資産家のリストを得られる立場だったというのは、やや都合がいいというか「さすがにそれはないだろう」という感じかもしれなかったのですが、これの放送中に現役の証券会社社員が闇バイトのような事件を本当に起こしてしまったので、このフィクションが説得力を持ってしまいました。

とにかく毎回毎回、思わぬトラブルやピンチ、予想外の展開をたたみかけて次回への期待を煽る…というフォーマットで全8回中6回まで持ってきたのですが、話のまとめに入った第7回はその手が使えないこと、最終回でいきなり登場人物がちょっとアホになってないかという感じがしたことで、最後の最後で少し失速したかなという感じは否めないかなといったところでした。ドラマの都合上そこは仕方ないのかな…。

しかし、決してハッピーエンドではない上に含みをもたせたオープンエンドであったし、残された謎もいくつかあったので、あれこれ考察し甲斐のある良作と言っていいと思います。そして、安達祐実のおばさん呼ばわりも決して無意味ではなかったことも。ネタバレだと書いたのにここまで読んで未見の方は是非見てみてください。