【ネタバレ】バックルームズ (2026) 感想

バックルームズ (2026) のネタバレを含めた感想です。

元をたどればクリーピーパスタ(怖い話コピペ、とでも言うんだろうか)として広まったものの映画化。調べれば歴史は出てくるけど簡単に書くと、

  1. 4chanの「不穏な画像スレ」に1枚の写真が投稿される。
  2. 「現実世界で『壁抜けバグ』(noclip)が起きると、そういった『バックルームズ』に行ってしまう」というコメントがつく。
  3. 皆がそれを面白がり、「バックルームズ」に関する投稿が発展、さまざまな派生も発生していく。
  4. 数年後、本映画の監督であるケイン・パーソンズが「The Backrooms (Found Footage)」から始まる一連のアナログホラー動画を投稿する。
  5. この動画が大バズして「バックルームズ」が一躍有名に。「リミナルスペース」という概念も広まる。
  6. 数年後、本映画が公開。

といった感じですかね? 私自身はバックルームズやリミナルスペースをフィルムアート社「リミナルスペース 新しい恐怖の美学」、インディーゲーム「8番出口」あたりで知ったくちです。

なお、動画シリーズは初回の一本のみ見ただけです(残りは映画を見てから全部見ました)。ちなみにこの動画シリーズは「ファウンド・フッテージ」や「アナログホラー」といったジャンルに分類されると思います。

ファウンド・フッテージは行方不明となった人が撮影していた映像が発見され、それを第三者が公開したというていのジャンルで、最も有名なものは「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」かな。

アナログホラーは昔ながらのビデオテープのように低画質でノイジー(というエフェクトをかけて作成した)、不穏・不気味な画像や文章が流れる映像です。知っているものでは、

とかです。

という前提知識で、映画「バックルームズ」を見てきました。

うーん、なんというか、解釈違いかなあ…でも仕方ないかなあ…という感じでした。結論から言うと「原点となるあの写真」そのものだけじゃ映画にならないし、派生かつ有名になったバズ動画を膨らませて一般公開の映画にするのは順当だけど、何かそうじゃないんだよなあ…という感想です。

もともとの「バックルームズ」は、いわゆる「リミナルスペース」的な何だか不安になる画像から始まったものであり、化け物が出てきたり、何やら謎の組織が出てきたり、これは人間の精神・記憶とリンクした空間かもしれないという調査だったり、とかそういうのは蛇足じゃないかな…と考える一派に私は考えが近いです。

とはいえ最初に「バックルームズ」を意味づけたコメントで既に化け物の存在は示唆されているし、動画シリーズの「The Backrooms (Found Footage)」のカバー絵にも化け物が映ってますしね…。でも「存在を示唆」と「実際に姿を見せて襲ってくる」とは大きな隔たりがあるとは思うけどなあ…。まあ、動画シリーズと本映画は同じ世界観なのだから順当に作った結果であり、化け物の有無が解釈違いというのは言い掛かりだろうけども。

動画シリーズや本映画で「ASYNC」として描かれる謎の組織については、本映画では最後のほうにちょっと出てくる程度。何をやっているかは動画シリーズのほうが詳しい。人間の精神とリンクした空間かもしれない、というのは本映画でいきなり出てきた内容かな? 動画シリーズ全部見てもそのあたりははっきり言ってないと思う。それはそれとして、怪現象に飲み込まれる一般人というのが面白いと思っているので、それに対峙・調査する謎の組織みたいなのは不要かなと思います。これも前述の通り動画シリーズからしてそうなんだから、解釈違いというのは言い掛かりかなあ。

本映画のストーリーはかなりしょうもないんだけど、かといって動画シリーズみたいに「ファウンド・フッテージ」や「アナログホラー」の短編を切り貼りして2時間にしました、とかやったら一般層にはまったく意味不明になってしまうのでこれも仕方ないと思う。ファン層にとっても、任意で巻き戻したりコマ送りしたり、以前の別の動画と見比べたり、というのはウェブ動画ならではの行動なので、劇場映画とは相性が悪すぎる。やっぱりしょうもないとはいえストーリーがある形にしたのは、繰り返すけど仕方ないかなあ…。

「リミナルスペース」としては結構よく作ったなと思うけど、これも一般層にとっては同じような風景ばっかりになってしまって、ややもすると退屈かもしれない。個人的にはもっと長く情景を映して、絵的な不穏さを出してほしかったんだけど、登場人物はわりとどんどん奥に進んでしまうので、あんまり堪能してる余地がなかったかなというか…。

いきなり大きな音を出して驚かせるジャンプスケアがそこそこ入ってるし、「この空間と化け物は人間の記憶や精神を写したもの」(と明確に言っているわけではないが)ていう、なんかありがちなモンスターパニック、サイコロジカルホラーになっちゃったのは、もうしつこいくらい書いてるけど、一般公開する映画なら仕方ないとはいえ、ちょっと残念だったかなあ。一方で不安を煽るBGMは(ちょっとうるさいかもしれないけど)個人的にはかなり好みでした。